一昨年来、住民の高齢化や住戸の賃貸化・空室化、そして住民の就業形態の多様化などにより、
    役員の選出に苦慮している、理事会が機能していないなどのご相談がとても多くなっています。 
    教科書通りのアドバイスは、役員要件を広げ、「組合員」のみから、
    「居住する組合員及びその配偶者並びに成人の一親等の親族」などとすることですが、
    それだけではとても解決には至りません。
    そもそも、居住者全員を把握していなければ、住戸に配偶者や親族が居住しているかどうかも不明、
    何のペナルティもなければ自分の生活が最優先となりますね。 
    それでは、この問題に有効な一手は何かあるのでしょうか。 
    多くのマンションの役員のなり手不足対策や理事会運営の適正・円滑化の方法はマンションの規模や
    築年数だけでなく、これまでの歴史や考え方によっても違います。 
    たとえば、役員要件を緩和し輪番で回ってきたときに就任できる人数がある程度確保できるマンションでは、
    役員数の削減や役員業務の軽減、加えて役員報酬を付け、役員になられる方に皆が感謝をして(ここが大切)、
    当面は大きな問題もなく運営できます。マンションによっては、役員報酬に強い抵抗があるところも
    ありますけど。 
    役員要件を緩和しても充分な人数を確保することができないマンションは、
    一定の区分所有者の負担が大きく、住民の中に総会で毎年理事会を責め立てるような方がいる場合は、
    その方々まで就任を拒否しかねない状況となり、ますます問題が深刻となります。
    そのような時には、役員就任を辞退する区分所有者に協力金を課すことにより安易な辞退を減らす、
    マンション管理士を理事やアドバイザー(顧問)として運営を適正化する、などを検討しています。 
    いずれにしても、理事長のなり手が一番不足しているのが本当のところです。
    安定的な理事長のなり手を確保すれば、問題はかなり解決され、
    理事会を存続することができると思います。
    委員会や理事会での検討の中でこの結論に至った場合には、私はマンション管理士を理事長(理事長代行)に
    登用する方法も提案しています。 
    理事会が機能しなくなってからでは遅いです。
    問題視した時点で是非ご相談下さい。 
  
「役員のなり手不足の解決策と対応事例」について、
9月の千葉県船橋市のマンション管理セミナーでお話致しますので、是非ご参加下さい。









 第1回 役員のなり手不足に有効な一手はあるか
 第1回 役員のなり手不足に有効な一手はあるか 

 
  
 